店内を歩き回って
真っ赤なチンチラソファに身をうずめ、金パイプを触りながら、黒い天井から無数にぶら下がりながら妖しく光る透明アクリルに目を凝らす。席を立ってステージの方へ緩く傾斜した1000㎡の無柱空間を歩き回っていると鈴なりの女性達がやってきました。
ベテラン、準レギュラー、満席の時だけ呼び出されるヘルプのホステス3人が我々の席につきました。向こう側では、最古参の30年選手が和服姿で常連らしき客の相手を始めたようです。指名をすれば昔話を聞けるかも知れない。指名料は幾らくらいなのかと考えていると「頂いてもいいですか?」と隣のホステスがつぶやきました。何を飲むのかと聞けば、氷の入ったグラスを差し出して「ビール」というではないですか。我々の残した温いビールをアイスビール「アイビー」として蘇らせるのだといいます。