良くメンテナンスされた外観、軒天も水平なところ、幾何学的な配置の窓にしばらくの間見入ってしまいました。表札もなく、玄関の壁に防犯対策を言うマジック跡があるから、もう誰も住んでいないのでしょう。歴史的建造物も良いが、こんな感じの小品もまた良いなと惹かれるものがありました。
高台なので、日本海の向こうから昇る朝日を思いっきり浴びられるロケーションです。その頃、日当たりの悪いアパート暮らしに嫌気をさしていた私は、明るい食堂を欲していました。このポカポカした食堂でラジオを聴きながら食パンをかじる自分の姿を想像して、この家なら引っ越ししてみたいと思いました。しかし、毎日ここから会社に通うのはやっぱりしんどいよなあとも考えました。
あれこれこんな思いを巡らせてくれた住宅でありました。