懐かしい風景

nostalgic/2021

昭和の風景 旧菊水北町

2021.07.05

 札幌市内を流れる豊平川に架かる東橋。
 そこから少し南に上った菊水界隈に昭和の風景がありました。しかし、なんとも寂しげな雰囲気があり、理由のわからぬまま写真だけは撮っておきました。今回は、その辺りのことを綴ってみました。
 上記地図のオレンジ色に彩色した道路は、他の道路と比べてちょっと斜めに振られています。この道路に沿って、古い下見板張りやモルタル塗りの住宅が多く残っていました。これは何かがあるぞと思わせられた疑問への回答は、地図に記した緑色の線にありました。


 現在の東橋は、地図に描かれてる通りです。東橋は何度も流失したそうですが、1929(S4)年の流失の後、近代的な堅牢な橋を架けることを前提として、その150m上流にあたる緑色の場所に仮橋を架けたのだそうです。その期間は1930(S5)年~1949(S24)年の19年間でした。ですからその間だけ、この道路は付近のメインストリートになっていたと思われます。かつて仮橋のあったひとときの賑わいの名残が、この住宅群から伝わってくるかのようです。
 しかし今ではもう、これらの住宅群は無くなってしまいました。
 ところでオレンジの道路を矩手に曲がると水色の道路沿いにも賑わいの名残が感じられます。この道路をまっすぐ進むとかつての白石遊郭に行き当たり、その繁栄の時期にも当てはまると言えます。当時はまだ水穂大橋は架かっていないので、東橋の仮橋は白石遊郭への裏ルートだったに違いなく、その道沿いに残り香がするのも、さもありなんと思われたのでした。
Top