2022年
真っ白なヴィーヴルがオープンして程なく、今度は裏参道の入口にパスバイが登場しました。ヴィーブルは軽快で開放的な集いやすい建物でしたが、パスバイはそれとは逆にレンガタイル貼りの重々しい外観でした。
これら2棟が同一人物による同時期の仕事という点に驚かされます。企画者のOさんは1955年の札幌生まれ、早大で建築学をそして途中から法大で社会学を学ばれ、Uターン就職されたとのことです。1970年代の東京文化をたっぷり吸収したOさんは、ご自身の企画会社を設立すると溢れるアイデアを次々に実現させたようです。
パスバイをヴィーブル風のデザインで繰り返しても良かったはずです。札幌のような地方都市での商売は、すぐに次の一手を打たずに出来るだけ引っ張るというのが常套手段ではないかと思います。しかし、そうはしないですぐにヴィーブルに背くようなデザインをするという戦略に「やられた・・・。」と思った人も多かったのではないでしょうか。また、建築だけでなく社会学を修めた方が提案する記号論的な街づくりに新鮮なものを感じたのではないでしょうか?