現在、美香保体育館として市民に親しまれている建物は、元々1972年の札幌冬季オリンピックのための屋内スケート競技場として建設されたものです。一見なんてことはない外観なのですが、見れば見るほど美しい魅力を投げかけてきます。
数年前のこと、北海道百年記念塔の設計をされた井口健さんが久米建築事務所時代に一緒に働いていた方々のエピソードをお話しして下さいました。東邦生命ビルや札幌銀行本店ビル、そしてこの美香保屋内スケート競技場が、当時札幌支店1番のセンスといわれた相賀敏孝さんによるもので、さすがの井口さんもこれには参ったと頭に手をあてる仕草をして笑わせてくれたのでした。私は、かつて越野武先生が北海道新聞のコラムでこのスケート場のことを高く評価されていたことを思い出し、そのコラム記事を持って改めて訪れてみました。