幅広のやつには、背中に窓が開いている
古いワーゲンビートルのようです
大通駅に残った最後の地下鉄への出入り口、現在は新しいデザインの物に変わっていますが、この独特の形、札幌市民には見慣れた建物でした。2本の鉄骨がU字型に曲げられて横に寝かされ、天井をパネル、壁をガラスで組み立てられた様子を見つめますと、その時代の最先端プレハブ概念が連想されます。大急ぎで準備された各駅の出入口も、効率良く建設がされたに違いありません。
さて、この鉄骨フレームとぐるりの鋼板、初期のものはコルテン鋼だったそうです。「初期のもの」が南北線全てなのか、北24条駅までなのか、もしくは東西線のいくつかまで含んでいるのかは、わかりません。昔々、幌平橋駅から乗り降りしていた子供の頃の記憶に、ザラザラした鉄骨の感触が蘇ってくるような気もします。
そのザラザラした質感に、「錆びているからきちんと塗装してください。」という市民の声があったそうです。ですから、現在残る地下鉄の出入口にコルテン鋼のままのものはもうないということです。札幌市がコルテン鋼に上塗塗装をしたということなのです。
「最近まで円山バスターミナル横の出入口はザラザラしていたよ。」との情報を得て確認しに行った時も、もう既にツルツルしていたのでした。
大通駅に残っていた出入口は、特別に白へ上塗りされました。白色の採用は、専門家が景観との調和を検討した結果なのでしょうが、あんまり同意できません。
白銀に戻してほしいテレビ塔は赤のまま、コルテンのままが良いと思う出入口は白にされ、私の希望は叶うことがありません。