鉄筋コンクリート造の直方体、壁はコンクリートブロック積みの重々しい存在感です。ところが、大きく張り出したバルコニーが空中に浮いているようにデザインされています。こういう、重く見せておいて軽くも見せるという相反する味わいがたまりません。
今はその空間にいろんなモノがおいてあるのでデザインの狙いは失われていますが、学園のメイン施設で実現できなかった設計の挑戦心が、このような小さな建物でこっそり実現されている所に設計者のストレス発散を感じるのです。
建物が地面から浮いたように見せるデザインは60年代からよく見るので珍しくはありませんが、いつ、どなたが、と推測するのが楽しいです。
①北海学園大学校舎の設計をされた大野和男先生
②体育館や図書館を設計された太田実先生
③その後、学園お抱えとなった北海道建設コンサルタント
④建設をずっと引き受けている岩田建設の職員
①ではない、②でもないでしょう、④でもないでしょうし、やはり③かな。
ではいつの時代だ?
古い住宅地図をさかのぼって見ていくことにしましょう。