今日、この住宅を見て、しばし立ち尽くしてしまいました。
　なんと平屋の木造住宅が、地面から浮かんでいたのです。薄いコンクリートスラブと薄い屋根に挟まれた正面に大きな窓が並んで、軽快な印象です。思わずというか、やはり、丹下健三さんの自邸を連想してしまいました・・・。

　我が国のモダニズムは、戦前期はバウハウス的な白いお豆腐デザインの直輸入でしたが、戦後に至ってからは和風の意匠と手を結んで、日本独自の美しいプロポーションへと変容したといわれています。様々な木造モダン住宅が競うように生まれましたが、その最高峰を丹下健三の自邸と推す人が多いです。

　当時の札幌の住宅デザインは、冬に対処する設計が最重要課題で、せいぜいそれにモダニズムをどう組み込むかくらいの程度がほとんどであったと思います。ですから、中央の華々しい設計からの影響を受けた住宅作品は無いだろうと思い込んでいました。

　ところが、私の想像は誤りでした。

　ホッケン研の訪問取材を申し込もうと思いました。　　２０１１．１１．１１