素敵な建築

suteki/2013

日本人と塀の切っても切れない関係

2013.08.15

 「日本人は塀で外見的には区切りを持たせておきながら、実際の人間関係は狎れ狎れしく自他区別の無いルーズな関係を好む。一方、欧米人は個人が確立している事自体が塀の役割をしているから、塀は要らない。」と教わったことがあります。

 私が生まれ育った山鼻でも、当時はほとんどの家に塀が廻っていたのを思い出します。しかし、最近の住宅には塀がありません。
狭い敷地いっぱいに住宅を建てるから物理的に無理なのか、
金銭的に塀までの予算が取れないから諦めるのか、
現代の日本人は個人を獲得したから塀を必要としなくなったのか。

 素敵な住宅と庭の周りに高く無骨な塀があるのを見ると、全てが台無しになった気になってしまいます。防犯の為とはいえ、もっと上手な方法はないのでしょうか。

 桑園に私好みの塀をもったM邸があります。無骨で重々しいコンクリートブロックの塀にも関わらず、その裾に「つつつつっ」と窓が開いて軽く見えているのです。
 Mさん、アナタわかってるなあ、と思います。
 最近の若い施主に、立派な敷地とふんだんな予算を持たせてみたら、やっぱり塀は復活するのでしょうか。
Top