新建築1963年12月号より
旭川のモダニズム建築と言えば旭川市庁舎へ直行しなければなりませんが、ちょっと回り道をして旭川市青少年科学館に行ってみました。
軒庇の大きく張り出した外観は、常磐公園の千鳥ヶ池を背景に豪華客船のような印象を与えてくれます。コンクリート打ちっぱなしの柱梁や玄関上に重々しくせりあがる庇を見て、東京文化会館チックな雰囲気だなと思いました。考えてみますと、札幌には60年代のコンクリート打ちっぱなしモダニズム公共建築がないことに気がつきました。その空白の10年間には札幌では軽快なカーテンウォールを使った物件が多いので、こんな重厚感ある建築が今も現役で使われている旭川市青少年科学館をうらやましく思いました。