北海道にちなんだ小説を読むことが好きだった頃、やはり有島武郎さんの作品もいくつか読んでみました。そして惹かれるように有島記念館に行ってみたことがあります。しかし、その時は現代建築にほとんど興味がなかったこともあって、記念館の外観を見た時は違和感を持ちました。有島武郎さんといえば札幌時代に住んでいた木造板貼りの素朴な家が思い浮かんでくることもあり、そのようなデザインの記念館であることを心のどこかで期待していたからなのです。
ギザギザの外観は有島の悩みや葛藤を表現したものであるという説明があって、理解はできるが同意はしにくいなあと感じつつ見学を終え、その感想を持ち続けたままでいました。
しかし最近になって、この記念館は私のお気に入りの建築家 飯田勝幸さんが手がけられた作品であったことを知りました。それではもう一度訪れて良く確認してみなくてはならないと、車を駆ったのであります。