田上 義也 作品アーカイブス

1966

坂本修三郎邸

1966年

江別市大麻中町12-7

2019年解体
 ある真冬の夜、坂本修三郎さんを1971年の電話帳で探してみました。判明した住所を住宅地図で確かめると、掲載されていました。前庭に余裕のある長方形の広い敷地へ、建物が斜めに配置されているではないですか。これは大物に違いないと期待に高鳴る胸を抑えつつ、翌日現地へ向かったのです。

 目標の坂本邸が近づいてきます。建物のシルエットが見えた瞬間で、その独特のプロポーションに田上先生の作品と確信できました。

 すでに表札は外されていて、玄関前にも雪が深く積もっていました。1階壁面は青いセラミックブロックが鈍く光り、例のガラリのついた軒裏冷却窓付換気口は、扇形に組まれていました。テラスに掛かるパーゴラは、白い塗装が剥げたり部分的に腐って崩れ、屋根は北側の端っこで垂直に深く下ろされて勝手口を覆っていました。

 木部分には痛みが見えましたが、まだまだ現役で住めそうです。札幌ならいざ知らず、ここならしばらく残っている事ができるだろうと思いました。

玄関

屋根が下ろされる

前面詳細

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