田上 義也 作品アーカイブス

tanoue/1951

北1条教会増築・改修

tanoue/1951年

札幌市中央区北1条西6丁目

現存せず
 元々の北1条教会は、1927年、つまり田上先生が28歳の時に建てられたものです。それから24年経過した1951年、戦後に再出発されたばかりの田上先生へ増築・改修工事の設計依頼がされました。その後、解体される1979年までの28年、札幌市民にとってとても思い入れ深い建築であり続けました。

 改修後の外観の方がカクカクと彫りが深く、カッコ良いです。1927年からこの姿で建っていますと言われても、頷いてしまいそうなデザインだと思います。

竣工時の姿 1927年

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増築・改修後 1952年(歩道に花台がある!)

 旧新の写真を比べてみると、大きな増築・改修点は、元々2か所あった玄関を覆うように増築された所。そしてもう1つは、屋根材が瓦棒葺きから菱葺きのデザインに変更されている点です。恐らく、玄関から出入りする度に寒い風が会堂に入ったのでしょう。寒さを防ぐための風除室機能を期待したこと、屋根は痛んだための交換であろうと思います。そしてもう一つは、東側に日曜学校棟、南側に牧師館の増築がされたことです。

増築部

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増築部拡大

 会堂から渡り廊下で繋がった東側の日曜学校棟、そしてその南側へ牧師館があったようです。私は、牧師館がどんなデザインだったのか知らず、日曜学校棟もこの写真のみでしか知りません。

 さて、柱型を連続させた顔にさせてある日曜学校棟。1979年に完成した新しい北1条教会は、このデザインを発展させたのではないかと思われます。しかし正直に言いますと、私には新しい北1条教会の魅力がよくわかっていないのです。

 田上先生がどのような気持ちで北1条教会と取り組まれたのか。当時80歳でデザインした田上先生の気持ちになって建物の前に立てば、私にだって味わうことができるかもしれません。それにはもう少し時間がかかるような気がします。
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