2021年の様子
牧場端に車を停車させ、玄関までのアプローチを歩きながら、大臣ともあろう南条さんがどうして牧場に別荘を建てたのだろうと考えました。あら?屋根はもう赤くないのか・・・、でも建物はそれほど傷んでいない・・・。恐らく、雪の少ない気候が劣化を進めないのだろうと思いながら、玄関の呼び鈴をゆっくり丁寧に2回押しました。
お住まいの方が出られたら「私は建築研究会の山下と申します。建築の研究をしているものです。」と言うのです。強い口調でもソフト過ぎてもいけません。自然な笑顔で相手を見て、両手で名刺を差し出します。ここに来る間、運転しながら何度も練習した通りに実行するのです。いや、これで何度も失敗しているではないか。しかし私には、これ以外に方法が無いのです。
結局、この建物は留守でした。しかし、隣の牧場事務所をダメ元で訪ねてみると、牧場経営をされている女性のN社長と妹さんが話を聞いて下さいました。
「父が亡くなってからはもう住んでいないの・・・。ろいず珈琲館の田上さん?えっ、この建物も?」
田上作品を訪ね歩いて見つけた時の喜びを説明すると、「馬のロマンと一緒ね・・・。」とうなづいて頂きました。
という訳で、その半年後に正式に訪問取材をさせていただきました。
詳細は、
ホッケン研訪問取材のページ小野氏レポートに譲りますが、私の心に残った点は下記の通りです。