モノクロ写真 田上義也建築作品抄 1966年より
カラー写真 2021年
しかし「金本ビル」という名のビルはススキノにはもうすでに無いことがわかっていたので、内心ではもう解体されてしまっているだろうと予測していました。1棟1棟確認してまわり、一番入りにくくて後回しにしていたビル入口の奥に曲面の壁を見つけた時、その時の私はどんな顔をしていたでしょうか?ビル防犯カメラの記録に残っていないことを祈るばかりであります。つまり、金本ビルはビル名称を変えて生き残っていたのです。
ビルの外観は壁がふかされて、巨大かつ特徴的なバルコニーやグリルの装飾は見えなくなっていました。内部はアールの壁よりも2基のエレベーター上にあった飾り物に惹きつけられました。削り込んで装飾された帝国ホテルにある大谷石のような照明器具だなあと思ったのです。