田上 義也 作品アーカイブス

tanoue/1965

八雲町公民館

tanoue/1965年

八雲町末広町154

現存

坂本建設
 八雲町は、明治維新後に入植した徳川家によって開拓されたそうです。田上先生は、この公民館の設計にあたり「何んらかのフロンテア的な、前向きな前進の姿勢を、重厚な大きい破風で表現してみた。」と説明されました。現在の大型物件新築工事には、このような勾配屋根は落雪被害を発生させる可能性があるのでもう採用されることはありません。近い将来、勾配屋根自体がノスタルジーを感じさせる意匠になるだろうと思いつつ、ダイナミックな外観を眺めました。

1965年竣工時「北のまれびと」 現代出版社1977年より

現在 2014年10月

1965年竣工時田上義也建築作品抄 1966年より

現在 2014年10月

現在 2014年10月

 竣工から50年経過した現在も大きな変更をされることなく、ほぼオリジナルの姿のまま使われています。上の写真のように、落雪に配慮した屋根の改修のみです。ごついコンクリート仕上げのバルコニーと大谷石の壁がベージュ色に塗り潰されてしまった事、軒下の幾何学模様の大窓がシート張りされてしまった事が残念ですが、現存している奇跡に感謝をし、細かい事には目をつむります。

 それにしても、階段状の軒デザインに強烈な印象が残ります。徳川家×階段=日光東照宮に至る200段の石段...と、変なことを思いつきました。まさかそのモチーフが使われているのでは?という私の短絡的な発想は、口に出すのを止しておきましょう。

館内の階段

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