北海道銀行の店舗を数多く手掛けられた田上先生。店舗以外にも福利厚生施設の設計をされています。通常は役員や支店長クラスの住宅、行員アパートであるのですが、この物件は珍しく行員住宅です。

　行員のためとはいえ、居間と台所に和室３部屋という間取りは支店長住宅と同等です。

　とても地味な外観の中に見つけられる田上先生ならではの点は、いつもの軒下換気口です。同年の坂本修三郎邸と同じガラリのデザインがとてもかっこいいです。

　ガラリを組んだ木材は、軒下にあるため雨風にさらされないのか、ほとんど痛みが見られません。細かな職人の手技が光っています。