「北国の住まい8」 建設情報社1968年より
住居部パートと玄関や車庫を包むパートが接続されたような外観のT邸。変形腰折れ屋根に守られた住居部壁面は分割デザインされており、この頃の田上先生らしさにあふれています。玄関の上は吹抜けて縦長の窓ガラスがはまっています。北側に向いた玄関でも光を十分に入れようとする仕掛けでしょう。吹抜けを支える柱型は裾へ行くにつれて広がるデザインになっていて、どっしりした安定感があります。その空間を包む屋根の軒側面も裾広がりで、のちに田上先生の代表作ともなる札幌市豊平川さけ科学館の原型となっているようです。