宿泊棟を包む片流れの大屋根部とプレイリーチックな低層部が合体している、という印象の外観です。片流れのトタン屋根は後方で大きく折り曲げられ、地面すれすれまで下ろされています。

　腰折れ屋根の尖った先端をじっと見つめていると、船のへさきを連想してしまいました。宇宙戦艦さながらに地面から抜け出てゆっくりと飛び立つのではないか、どうしてもそのような方向へ連想が進んでいきます。ちなみに私の脳内で重なった「宇宙戦艦ヤマト」は１９７４年放映開始とのことなので、この２つに全く関係のないことを付け加えておきます。

　館内に入り、カウンターで若いペアレントさんに尋ねると、やはり宿泊客は私だけとのことでありました。

　無論、部屋にテレビはありません。ユースホステルにテレビは必要ないのです。携帯電話は圏外で、コンセントプレートもありません。真夜中に飛び込みのバイカーが１人チェックインしたのが聞こえてきました。静まりかえった建物に、一瞬のクライマックスが訪れたような出来事でした。