田上 義也 作品アーカイブス

tanoue/1973

丸紅緑ヶ丘分譲建売住宅第1期

tanoue/1973年

札幌市豊平区澄川5条13丁目付近

一部現存?

当時の資料 (池田様より)

当時の資料 (池田様より)

 かつてこの分譲地に住んでいらっしゃったという池田様より、当時の貴重な分譲カタログがメールで届けられました。太枠で囲った部分が第1期の分譲地区で、このうちの幾つかを田上先生が手掛けられたはずなのです。
 雪も融けたしそろそろ現地探索へ行ってみようかと思っていたところに、今度は私を先回りするかのような画像メールが清水様より届きました。

第1期物件の発見か? (清水様より)

 軒無しの外観です。かなり若々しいセンスによるデザインで、それまでの田上先生のデザインとは異なっています。壁面上部に軒裏冷却窓付換気口があればいいのですが、さすがにこのデザインには似合わないです。

 「所長、注目の軒無しデザインはどうでしょうか?」
 「建設費も抑えられそうだし、よかろう。」
 予算の制約が厳しい建売住宅プロジェクトには考えられそうな物語と思います。軒の出の無い家なんて家ではない、という拒絶感覚が強い風潮の中、先端デザインを分譲住宅でやってしまったというところが田上事務所らしさと言えるかもしれません。確信の持てないままであるが、ここに掲載させていただくことにしましょう。
 
 この数年後に西岡地区へ分譲された山下和正さんによる建売住宅群も軒無しデザインだったようですが、こちらの方は大変な雨漏りが発生したそうです。
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