田上 義也 作品アーカイブス

tanoue/1974

ルベシベユースホステル

tanoue/1974年

北見市留辺蘂町旭中央24

かろうじて現存

前面道路から

裏から

 日本ユースホステル協会設立時に初代理事長、そして2代目会長として献身された中山正男さんは、この留辺蘂で幼少期を過ごしたそうです。中山さんの書いた「馬喰一代」という小説は、この町が主な舞台となっています。このユースの内部には、1969年に亡くなってしまった中山さんを称えた中山記念館があったそうです。
 2000年に閉じてしまったというルベシベユースホステル、今となってはどのような記念展示物があったのか、それらは今どこへ行ってしまったのか、私にはわかりません。

 2013年に訪れてみましたら、仲よし公園の奥に雑草に埋もれた状態で立っている姿を見つけることができました。軒先が壊れた様子を横目に、建物中央の玄関まで歩きました。東西に長い2つの招き屋根を玄関上で重ねています。軒際にはいつもの屋根裏冷却のための細長い窓が連続しています。現在は施錠されてしまった玄関の奥には、吹抜けのあるホール、そしてその正面奥に中山記念館があったのだそうです。
 カメラを構えていますと、近所にお住いだというおばあさんから話しかけられました。映画化もされた「馬喰一代」のロケは、まさにこの場所も使われたのだそうです。
 「三國連太郎主演のほうだけどさ。あたしもちょっと映ってるんだよ。」

 家に帰って調べてみると、
 1951年に三船敏郎と京マチ子により映画化される。
 1963年に三國連太郎と新珠三知代により再度映画化されたとのことです。
 三船バージョンはDVD化されているのですが、何故か三國バージョンはDVD化されていないんですよね。しかし、たまにフィルム上映会の機会があるそうなので、いつか見てみたいと思います。あのおばあさんのお若い時をフィルムの中に気づくことができれば、尚うれしいです。

 庭で採れたというカボチャを頂きながら「あんた、お酒飲むのかい?」と聞かれました。今夜は一晩おばあさんの家に泊まらせて頂こうかと思ったら「駅前で馬喰一代っていうお酒が売ってるからさ。飲んでみな。」とのことでした。

 2本求めて実家への土産にしてみると、うまいうまいと父に2本とも飲み干されてしまいました。インターネットでも購入できるらしいです。
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