初見で拒否反応を示さずに、建築の多様性を理解せんと努力してみましょう。自分の中の「モダニズムが正解」という思い込みを捨ててみましょう。
モダニズムの合理性だけを追求すると、ただの箱を作ればよいという作業に陥ってしまいます。もちろん早く安くという要求に従うことも大事ですが、そのような建築ばかりになってしまってはつまりません。脱構築主義とは、そうしたモダニズムの側面に警鐘を鳴らしているように見えます。また、直線だけで作られた人間不在の建築へ批判をしているのかもしれません。それが歪ませたり曲げたり捻ったり傾けたりという表現をとるのでしょう。
この幼稚園にそのデザインが採用された意図は、
金太郎飴のような大人になるんでないよ、
右向け右という号令に思考停止で従うことは危ないよ、
この自由な建築で個性を育んで下さいね、
というところにあるのでしょう。
本当にそのような効果があるかどうかは別としてですが。
しかし、やっぱり私は、クールなモダニズム建築の中にひっそりと宿る色気に反応します。要は好みの問題です。