配置図 1957 試作寒地住宅図集より
最近入手した1957 試作寒地住宅図集の配置図を見て、目を見開きました。
その理由は、以前より気になっていた可愛らしいレンガ造住宅たちのことと、いつも拝見している「札幌時空逍遥」の
2020年4月12日のブログとが結びついて、一気にその謎を解決できそうだと思ったからなのです。
さてこの配置図の通り、1957(S32)年に試作寒地住宅なるものが23棟建設されました。これらはその年8月に開催された日本建築学会と日本建築士会共催の北海道大会に合わせて披露されるためのものでした。北海道大学施設課の斡旋のもと建設資金を公社建売住宅に求めたことから、最大面積30坪以下、最高単価坪当り5万3千円以下というローコストな条件だったそうです。日本建築学会北海道支部長だった落藤藤吉さんは、当時の融資基準に照らした防火条件のもと、コンクリートブロック構造・ドリゾール構造・レンガ構造・鉄筋コンクリート構造・サーモコンクリート構造に工夫を凝らし、設計を監修されました。
早速、本を片手に現地へ行きましたところ、なんと4棟の現存を確認することができたのであります。
8号棟住宅