札幌もいわ山ロープウェイの山麓駅向かいにあったという沖縄戦英霊記念の碑。グーグルストリートビューで独特な造形美を確認できましたが、実物は見逃してしまいました。

　コンクリート製のアーチを見ますと、丹下健三さんによる広島平和記念公園にある慰霊碑を思い出します。しかし、アーチの途中にせり上がる庇状の水平デザインを絡ませて、より造形度を高めています。この碑を設計された方がどなたなのかはわかりませんが、丹下健三さんを飛び越えて一気にコルビュジエに近づいたような雰囲気です。

　アーチ型の目的は、その下にある碑や戦没者名簿を守るということにあると思います。しかし、短絡的連想を得意とする私は、戦闘機を空襲から守るための掩体壕と結びつけたくなります。戦争を思い起こさせるデザインとしてセンシティブな指摘はなかったかと心配になりますが、私の考えすぎということなのでしょう。

　ところでこの碑が建立された１９６５年とは、コルビュジエが亡くなった年でもありました。