建築年表 公共編

kochizu/1973

住友生命札幌ビル/センチュリーロイヤルホテル

kochizu/1973年

札幌市中央区北5条西5丁目

日建設計 

竹中工務店北海道支店

モノクロ写真二十年史 株式会社日建設計 より

 2024年をもって閉館の決まった札幌センチュリーロイヤルホテル。日建設計の設計、竹中工務店の施工で1973年に竣工したオフィス兼ホテル複合ビルで、竣工時は道内最高の高さだったそうです。どうしても最上階の回転レストランに目が行ってしまいますが、当時は既に小樽に祝津観光ホテル天望閣や北海ホテル、ススキノの村岡ビルに回転レストランがありました。ですからこのホテルにとって回転レストランは、特別に目新しいものではなかったと思われます。

 日建設計の二十年史には計画中のセンチュリーロイヤルホテルが掲載されていますが、そのパースには回転レストランが描かれていません。計画には無かったレストランが途中で追加されたようなのです。恐らくホテル側のオーナーである札幌国際観光の杉野重雄社長が要望されたのではないでしょうか。回転レストランの仕組みは、戦艦の砲台の技術を転用したと聞いたことがありますが、このホテルでは小さな2基のモーターがゴムタイヤを回転させてフロアを回しているそうです。

 ところで私は今まで、最上階の円形部分そのものが回転しているのかと思っていました。窓台に置いていたバックが隣の席へ移動してしまったことで、レストランの床面だけが動いていることに気がつきました。竣工時は1時間で1回転していたそうですが、現在では3時間で1回転させているとの事です。レストランの直径は22mですので、外周部での速さはおよそ分速38cmとなります。そう考えれば、それでもけっこう速いです。

竣工時の回転レストラン「ロンド」 札幌センチュリーローヤルホテル パンフレットより

Top