失われた建築

lost/2015

市立小樽病院

2015年
解体

2015.03.28

小樽市若松1丁目2

2015年 解体

1969年

久米建築事務所

佐藤工業
 でこぼこのアクセントに富んだ外観の市立小樽病院は、久米設計の手によるものです。透かせた5層部分が薄い壁にサンドイッチされているところがお気に入りです。つやつやのエンジ色タイル仕上げが何とも言えぬ艶めかしさです。60年代の久米設計は、たまらんです。
 裏へ廻ると、コンクリートの塊がどんと居座っています。さびたスチールサッシと外部階段の手すりが年月の長さを感じさせます。「建物上部からの落下物に十分に、注意願います。病院長 」という看板が、登ってみようとする私を思いとどまらせてくれました。
 ここ数年、建替の是非や代替地を巡って紆余曲折した市立小樽病院。ついに解体が始まったのでした。
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