月刊ホテル旅館 1967年12月号 国立国会図書館所蔵より
現在の円山坂下シティハウスマンションのところにあったホテル神宮閣。名物オーナー布施さん率いる布施観光チェーンの1つで、他には宮の森の山水閣、小樽の
天望閣、余市のモイレ城閣がありました。ホテル建設ブームの始まった頃ですが、この神宮閣は修学旅行や企業研修旅行を対象とした施設であったそうです。
豪華さはありませんが、山谷型にデザインされた深い軒が印象的です。軒からは3連の細い部材が、3階のバルコニーに届いてから壁面の装飾へ変わり、1階庇まで続いています。1階は引っこめられた陰の中に庭が入り込んで奥行き感を出し、深い軒とバランスがとられています。軒天から吊るされた照明と1階エントランスが点灯すれば、なかなかの立体感を演出したでしょう。